企業の金利負担の変遷と銀行間競争
2025.07.31 19:50
銀行の貸出利ざや(スプレッド)が薄い(小さい)ことは、国際的にもオーバーバンキングの指標とされてきた。これは銀行間競争が強く、借り入れる企業や個人から、金利引き上げが受け入れられないことでもある。日本銀行が利上げを進める現在、銀行や信用金庫が直面している問題でもある。8月号では、特に企業規模間の金利負担に注目して、この問題を考えてみたい。
1990年代に中小企業金融が活発化
日本の高度経済成長期には、都市銀行や長期信用銀行等を中心とする大手銀行が、低い公定歩合を背景に、大企業等に対し低い金利で貸し出してきた。他方で、地方銀行や信用金庫等の地域金融機関は、中小・零細企業向けに高めの金利で貸し出してきた。こうした構造は、かつて金融の二重構造として議論された。
この図式は1970年代までは概ね妥当であったと考えられるが、1980年代後半以降は変化が見られた。法人企業統計から、資本金規...
1990年代に中小企業金融が活発化
日本の高度経済成長期には、都市銀行や長期信用銀行等を中心とする大手銀行が、低い公定歩合を背景に、大企業等に対し低い金利で貸し出してきた。他方で、地方銀行や信用金庫等の地域金融機関は、中小・零細企業向けに高めの金利で貸し出してきた。こうした構造は、かつて金融の二重構造として議論された。
この図式は1970年代までは概ね妥当であったと考えられるが、1980年代後半以降は変化が見られた。法人企業統計から、資本金規...
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