【早期事業再生法案】私的整理をめぐる議論の新展開
2025.04.30 19:50
現在国会では「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案」(早期事業再生法案)が審議中であるが、裁判所外で多数決による事業再生を可能にするため、私的整理と法的整理の中間の「第三の手続」を創設するものである。金融機関には、事業再生に向けた専門能力を育成する一方、日頃から事業者に寄り添う姿勢の上で、適切な手続きを適時に取れるよう助言していくことが求められよう。
債務整理の現状と課題
我が国の債務整理の方法には、大きく私的整理と法的整理の2種類がある。法的整理は裁判所における債務整理であり、債権者の多数決で実施できるメリットがあるが、全ての債権者(商取引債権者等も含めて)を対象にしなければならない点で限界もある。私的整理は裁判所外で行われる債務整理であり、一部債権者(金融債権者等)のみを対象として柔軟に実施できるメリットがあるが、債権者全員の同意を得なけ...
この記事は会員限定です。
ログインまたはお申し込みください。
PR