自民は国民、維新と連携加速か。高市首相なら「高圧経済」へ(会田卓司、クレディ・アグリコル証券チーフエコノミスト)
2025.10.14 09:41
自由民主党総裁選挙(10月4日実施)で、穏健保守派の高市早苗前経済安保担当大臣が勝利した。圧倒的な党員票を獲得したことが、決選投票での議員票を動かした。議員票で党員票が示す声を覆した穏健リベラル派の石破総裁誕生の前回の失敗を繰り返すことで、自民党からさらに国民の支持が離れることが懸念された結果だ。
党員と国民の方を議員が向く姿勢が示され、自民党には自助作用が残っていることを示した。自民党は衆参両院で過半数の議席を持たないが、野党が連合して首相候補を担げる状態ではなく、臨時国会で史上初の女性首相に指名されるとみられる(執筆は2025年10月14日時点)。
自民は国民、維新と連携を加速か
「政治とカネ」を巡る政治資金問題への対応の違いで、公明党が自民党との連立政権から離脱した。衆議院は解散によって政権が過半数の議席を取り戻せる機会がいつでもあるため、解散のない参議院で過半数の議席を確保することが、政権の安定には重要となる。
国民民主党と連立を組めば、参議院の過半数の議席を確保する可能性が高まるため、自民・国民政権の樹立に向けた動きが加速するだろう。国民民主党は、積極財政と高圧経済の方針を、高市氏と共有している。
秋の臨時国会の経済対策の補正予算と年初の通常国会の2026年度の政府予算に、国民民主党の多くの政策を盛り込んでいくと見られる。
公明党と対立してきた日本維新の会や、参政党と...
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