米ファーストリパブリック銀、経営破綻 JPモルガンが買収

2023.05.01 20:46
海外金融当局 金融危機
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米連邦預金保険公社(FDIC)は5月1日、中堅の地方銀行「ファースト・リパブリック・バンク」が経営破綻し、公的管理下に置いたと発表した。米銀最大手のJPモルガン・チェース銀行が買収し、預金全額と資産を実質的に引き継ぐことも明らかにした。ファースト・リパブリック銀の総資産は3月10日に行き詰ったシリコンバレーバンク(SVB)を上回り、2008年の金融危機後、最大規模となる。


ファースト・リパブリック銀が本社を置くカリフォルニア州の金融当局はFDICを管財人に指名した。FDICは競争入札でJPモルガン・チェース銀を引き受け先に決めた。


米地銀ではSVBの破たんを機に、経営不安が広がり預金流出が相次いだ。ファースト・リパブリック銀は3月16日、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガン・チェース銀など大手11行から総額300億ドルの預金を受け入れたが、預金流出が止まらなかった。23年1~3月期だけで約4割流出した。4月24日の決算発表後、株価下落に歯止めがかからなかった。


今回の破綻についてニッセイ基礎研究所の窪谷浩主任研究員は、「これで金融不安が収まるかどうかはわからない。米国の金融システムリスクはまだくすぶっている」と語った。


ファースト・リパブリック銀は1985年に設立。富裕層の資産管理などが主力事業。総資産は2291億ドル、総預金1039億ドル(2023年4月13日現在)。8州に渡って所有する84店舗はJPモルガン・チェース銀の支店として存続する。

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