大分銀、県内自治体と「地域ビジョン」策定 第1号は別府市
2023.03.22 20:22
大分銀行は4月以降、大分県内全域で各営業店が地方自治体とともに「地域ビジョン」を策定し、順次協働で取り組みを開始する。第1号案件として別府市と行い、3月22日に本店で後藤富一郎頭取、長野恭紘別府市長が参加し、共同記者会見を開催した。
「地域ビジョン」では、それぞれの地域で影響力の高い産業を「支援産業」として選定。支援産業を起点として、稼いだお金を域外に流出させないための「地域内資金循環の活性化」と、地域資源を最大限活用した「稼ぐ力の増強」に取り組む。
地域内資金循環の活性化では、行員が顧客訪問時にインタビューし情報を収集。次にRESAS(地域経済分析システム)など公表データに加え、同行保有の商流データや行員が収集した情報を分析、共有することでリアルデータ化する。同データをもとに地域内のステークホルダーとともに個別プロジェクトの探索、立案、解決につなげる。
別府市の場合、「観光産業」を支援産業に選定した。今後、同行別府ブロックの6拠点(別府支店、別府北浜・別府南支店、鉄輪・亀川支店、鶴見支店、石垣・大学通支店、太陽の家支店)が地域内資金循環の活性化に向けて、行員が顧客アンケートやヒアリングとデータの活用で明らかとなった資金循環の実態や課題について、同行と別府市、産業界の各団体がリアルデータとして情報共有する。
稼ぐ力の増強では、温泉を活用した顧客体験価値の向上、ICT・DXを活用した顧客利便性や顧客への認知度向上策を企画。同行は、実現に向けた過程で生じる地消地産や事業領域の拡大、新事業参入、新産業創出などを支援する。
長野市長は「域内循環の基礎データなど実態を把握することができる」と期待する。後藤頭取は「県内には地域ごとにポテンシャルがある。支援産業を行政とすり合わせたうえで、新産業の創造を含めて強い産業を育てたい」と話した。
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