生保業界、営業職員の賃上げ相次ぐ 人材囲い込み

2023.03.10 18:57
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賃上げ

生命保険業界で、営業職員の賃上げの動きが相次いでいる。大手生保は、2023年度からの賃上げの方針を表明。人事制度改定やベースアップ(ベア)、比例給の増額などにより、平均5%以上の賃上げとなる見込み。人への投資を通じて待遇を改善し、各社は優秀な人材を囲い込みたい考えだ。


日本生命保険は、23年度から約5万人の営業職員に対して、総人件費で平均7%の賃上げを実施する。総額で年間100億円を上回る人件費の増加となるという。同社は22年度、主に入社3年目以降を対象に、契約の継続率やアフターフォロー実績、苦情の有無などをもとに定性面の活動を3段階で認定する制度を新設。23年度から、22年度に認定した各ランクに応じた固定給を支給する。また、全営業職員を対象に、新契約獲得実績に連動する比例給の単価を増額する。


第一生命保険は、約4万人の営業員に対し、平均5%程度の賃上げを実施する方針。具体的には、ベアに加えて、23年4月から入社6年目以降の営業員を対象に、「平均して月額1万円程度の給与増額」(同社)となる評価方法に改める。


住友生命保険は23年度から、約3万2000人の営業職員の賃金を約5%引き上げることを決めた。顧客の健康増進への貢献や非保険領域のサービス提供を評価体系に組み込むことで賃上げを実現する。


太陽生命保険は、政府のインフレ率を超える賃上げ要請などを踏まえ、約5%の賃上げを実施する。また、5年未満の営業職員の基本給に相当する定例報酬は全地域で1万円以上増やす。さらに、顧客数200人以上の営業職員に対しては「顧客フォロー手当」の金額を増額する。販売業績に応じた比例給では、新規契約1件当たりの単価を増額する。4%以上の賃上げは22年度に続き、2年連続となる。


同社では、待遇改善が奏功し、営業職員数が約9200人(23年2月時点)と21年度末比で約700人増加した。23年度は、1万人体制を目指す方針だ。

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