債券市場「機能度」一段と悪化、政策議論に影響 日銀サーベイ
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日本銀行は3月1日、取り引きのしやすさなどを市場参加者から聞き取る「債券市場サーベイ(2月調査)」の結果を明らかにし、市場機能の総合的な判断を示すDIが「マイナス64」と、2015年2月の調査開始以来、最低水準を更新した。
同DIは、コロナショック直後の20年5月調査を下回った前回(22年11月)調査の「マイナス51」から一段と低下。また、「意図したロット(1回当たりの取引金額)で取引できているか」など、注文量・価格や取引頻度を項目別にみた「各論」でも前回から軒並み悪化した。
日銀は低下の著しい市場機能への対応策として、22年12月の金融政策決定会合で長期金利(10年物国債利回り)の許容変動幅を「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大。現行政策を〝修正〟して機能改善を狙ったが、市場参加者は「大変厳しい評価」(金融市場局)を下した。
野村総合研究所の木内登英氏は「政策修正をきっかけに、許容変動幅のさらなる拡大をマーケットが期待し、日銀が国債を一段と買わざるえない状況を招いた。対応が裏目に出た」とみる。
日銀では、市場関係者の声が反映される「サーベイ」結果を重要視し、過去最低水準の「機能度」を指摘する政策委員が複数おり、次回(3月9、10日)の金融政策決定会合における議論に大きな影響を与えそうだ。
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