北洋銀、再生覆土にグリーン融資 CO2や廃棄物減へ
2023.02.22 21:28
北洋銀行は2月28日、配管洗浄や産業廃棄物処理業の「とませい」(北海道苫小牧市、渡辺秀敏代表取締役)に、環境改善効果が高い事業プロジェクト(PJ)向け特化の「グリーンローン」を実行する。
同社は、外部バイオマス発電所から得た燃えガラや煤塵(ばいじん)、自社の清掃事業や外部事業者から排出された無機汚泥を素材に、砕石場跡や産廃最終処分場などを埋め立てる「覆土材」を製造、販売する。
埋め立て処分されていたバイオマス燃焼灰や無機汚泥をリサイクルし廃棄物を削減する。さらに、一般的な覆土材では泥土にセメント由来の土質改良材を加えているが、これをバイオマス燃焼灰で代替。石炭を使った焼成など、セメント製造時の二酸化炭素(CO2)排出の削減にもつながる。
とませいは、既に覆土材事業に取り組んでいるが、これまでは無機汚泥の活用が中心。苫小牧市で国内最大級のバイオマス発電所が稼働したことも背景に、燃焼灰を中心にした今回の新PJを開始。調達資金で新たにサイロやミキサー、破砕機などのプラントを整備し、3月にも本格稼働する。従来、年間3000~5000トンだった覆土材生産に新PJ分を加え、5年後に年1万トンを目指す。
融資額・金利・期間などは非公表。融資の要件で、資金使途や環境改善効果、想定されるリスクの抑制など、今回の枠組みが国際的な「グリーンローン原則」に適合しているかのセカンドオピニオンは、格付投資情報センター(東京都、R&I)から取得した。同行によるグリーンローンの実績は4例目。
とませいの渡辺社長は「グリーンローンが、外部から評価を得る機会になった。セカンドオピニオンにふさわしい事業にしたい」と語った。同行苫小牧中央支店の水本健一・執行役員支店長は、「脱炭素やサステナビリティは後戻りすることのないテーマ。どうサポートするかで、銀行も評価される」と話す。
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