東証、経過措置25年3月に正式決定 JPX清田氏「相当数カバーできる」

2023.01.31 09:51
株式市場 取引所
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会見するJPXの清田グループCEO(1月30日、東証)

東京証券取引所は1月30日、2022年4月の市場再編後、新市場の上場維持基準の未達企業に適用されている経過措置の期限を「25年3月」に正式に決めた。有識者会議で取りまとめられた論点整理を踏まえ、対応方針を公表。同会議の議論では、より早い24年3月とする声もあったが、25年3月(移行後3年)に決めた理由を、日本取引所グループ(JPX)の清田瞭グループCEOは「企業が自ら設定した計画は相応に尊重すべき。前向きに取り組もうとしている企業の相当数をカバーすることができる3年とする」と説明した。


経過措置終了後、1年以内に改善されないと、監理・整理銘柄に指定。3月期決算企業の場合、26年9月に上場廃止となる。プライム市場を選択した企業には改めて審査なしでスタンダード市場を選択できる救済措置も用意。市場区分の再選択の期限は9月29日まで。東証は3月1日までパブリックコメントを募集し、制度要綱は4月1日に施行する予定。


東証は経過措置の終了時期の明確化に加え、上場企業の中長期的な企業価値向上を促す施策も行っていく。具体的には継続的にPBR(株価純資産倍率)が1倍割れの企業については、改善に向けた方針、具体的な取り組みや進捗状況などの開示を強く要請する。


東証のコーポレート・ガバナンスコードでは、上場企業に対して、資本コストを意識した経営戦略などの策定・公表を求めている。現状のガバナンスの水準について、清田氏は「満足できるレベルか、必ずしもそうでもない」と指摘。ただ、清田氏は「PBR1倍割れの企業にもそれぞれ事情がある」とし、金融機関を例に挙げ「ゼロ金利、マイナス金利、国策によって収益環境がなかなか難しいので、自助努力だけでは、PBR1倍割れをなかなか回避できない会社もある。すべて企業の責任でだめだという話ではない」と言及した。

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