全銀協、中堅中小の脱炭素経営を支援 「はじめの一歩」ガイド公表
2023.01.30 17:00
全国銀行協会は1月30日、中堅・中小企業向けの対話促進支援ガイド「脱炭素経営に向けたはじめの一歩」を公表した。全国地方銀行協会、第二地方銀行協会と共同で作成。銀行の営業担当者が顧客との間で脱炭素経営や気候変動対応に向けて行う対話(エンゲージメント)に活用し、中堅中小の脱炭素経営への動きを支援する。
2021年12月に取りまとめた「カーボンニュートラルの実現に向けた全銀協イニシアティブ」の具体的な取り組みの一環。企業が気候変動対応を迫られるなか、金融界はそれを支援する役割発揮に期待が大きい。ただ、メガバンクと比べて地域銀行はノウハウが少なく、地域銀と中堅・中小企業の双方から「何から始めたら良いか分からない」との声が強かったという。今回のガイド公表で、課題解決に役立てる。
ガイドでは気候変動の基礎知識として、グローバル企業や大企業では科学的根拠に基づく中長期的な削減目標の設定やTCFDに沿った情報開示、サプライチェーン全体を通した二酸化炭素排出削減が進んでいるとし、「中小規模事業者も、脱炭素という潮流への対応が必要」と示した。
また、脱炭素経営に取り組むことで期待されるメリットや、取り組まないことによるリスクを整理。行動のステップや、脱炭素経営セルフチェックリストの例も載せ、自社の現状把握に役立てられるようにした。
ガイドは全30ページのパワーポイントのデータを会員行に提供。各行は、顧客向けの金融商品・サービスなどに応じ、自由に編集・修正した上で手渡して活用できる。
2月下旬には会員行向けにガイドの使い方をレクチャーするオンライン説明会を開く。また、年度内に企業経営者に説明するロールプレーイング動画も配信予定。各行のイントラネットでの掲載や、顧客対応・気候変動対応の研修で活用してもらう。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 金融庁、粉飾対策で「第2線」注視 営業現場と連携求める
- 3メガ銀、リアル接点拡充 三菱UFJ銀、20年ぶり新店
- ブラックロック・ジャパン、国内初の外株アクティブETF上場 AI銘柄に投資、早期100億円へ
- 地域金融機関、地公体貸出 割れる戦略 金利上昇で見直し加速
- 信金、増える金融・保険業貸出 融資需要低下が影響か
- 住信SBIネット銀、住宅ローンアプリ1年 本審査9割超に利用浸透
- <お知らせ>「金融×スタートアップ Meetup」 ~スタートアップ支援の課題と在り方を考えるイベント~【参加無料】
- 常陽銀、〝100億企業創出〟に本腰 包括支援へ157社選定
- 三菱UFJ銀、Netflixの独占放映で 独自調査を公表
- 大手生保、生成AIがアンダーライティング代替 事務職を営業へシフト