新興育成・GXへ投融資 日本公庫や政投銀の機能強化 政府23年度予算

2022.12.24 04:40
政府
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政府は12月23日、一般会計総額が過去最大の114兆円となる2023年度当初予算案を決定した。財政投融資には、前年度比13.9%減の16兆2687億円を確保。コロナ禍や物価高騰に苦しむ事業者への資金繰り支援に引き続き取り組み、スタートアップ企業の育成やGX(グリーントランスフォーメーション)の推進に向け日本政策金融公庫や日本政策投資銀行の資金供給機能を強化する。


日本公庫の国民生活事業と中小企業事業に充てる財投は前年度比で約1兆5000億円増やし、4兆9958億円とした。コロナ禍が収束に向かいつつある一方、物価高で資金繰りが厳しくなる事業者は増加。先行きの見通しが難しくなっている点を踏まえ、「セーフティーネットを厚めに張る」(財務省)。


福祉医療機構には新たな融資制度を創設。コロナ禍で借入金が増えた福祉・医療事業者が新たな施設の整備を進めやすくするため、設備資金を供給しつつ既存の借り入れと一本化できる措置を講じる。全体の融資期間を延ばし、既存融資の返済負担軽減につなげる。


スタートアップ企業の育成へ、日本公庫や沖縄振興開発金融公庫の融資制度では貸出上限額を14億4000万円に倍増させる。政投銀への産業投資は400億円を確保し、同行に「スタートアップ・イノベーションファンド」などの活用を促す。


GXを目指し、新たに立ち上げた脱炭素化支援機構に対する産投は前年度の200億円から400億円に倍増。住宅金融支援機構が発行する環境債には2200億円の政府保証を付与し、省エネルギー性能に優れた住宅の普及を後押しする。


「人への投資」も促す。日本公庫と沖縄公庫は、健康経営優良法人の認定を受けた中小企業への融資で金利を年0.4~0.65%引き下げる。日本私立学校振興・共済事業団は大学向けの融資制度を拡充し、DX(デジタルトランスフォーメーション)や脱炭素など成長分野の知見を持つ人材を育成するための学部再編などを支援する。

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