村井・前Jリーグチェアマン、「恩返し」ファンド設立

2022.09.14 04:43
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村井氏

3月にJリーグのチェアマンを退任した村井満氏(63)が、2022年内にも地方企業の課題解決を支援する投資ファンドを立ち上げる。Jリーグを支えている地方へ「恩返し」するため、前々職のリクルート時代から培った人材活用や組織活性化に関する知見を生かす。地域銀行などにも出資を呼びかける考えだ。


村井氏は4月にONGAESHI Holdingsを設立した。かねてより経営陣と親交があるTryfunds(トライファンズ)社が共同GP(無限責任組合員)となり、まずは総額30億~100億円規模で1号ファンドを組成する。成長の踊り場にある地方企業3~5社に投資する計画だ。


村井氏の人材・組織領域の知見を基にしたハンズオン支援で、投資先の再成長を後押しする。村井氏はリクルートで30年近く人材ビジネスに携わり、人事部長も経験。8年間のチェアマン時代は、物事をオープンにし、可視化する「レファレンス経営」でJリーグの収益拡大を実現した。村井氏は「魚と組織は天日にさらすと日持ちが良くなる」と話す。


自身の人脈を活用し、投資先が必要とする幅広い人材も紹介する。特徴は、Jリーガーなどアスリート人材も候補である点。「アスリートは高い目標に挑戦し続けることができ、失敗しても逃げない。困難な中小企業の経営に必要な要素を持っている」(村井氏)。そうした高い人間力を可視化し、信用を付与するツールの開発にも取り組む。


このほか、地方企業でも大きな課題となっている脱炭素対応も支援する。トライファンズ社の投資先であるSustech(サステック)社の知見や技術を活用する。


村井氏は、「我々の大切なKPI(成果指標)は投資先がより良い企業になり、人材がいきいきと働ける組織になること。こうした思いに共感してくれる地域金融機関とぜひ連携したい」と訴える。

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