地域銀への日銀特別付利、21年度要件達成は80行程度
2022.08.24 04:44日本銀行の「地域金融強化のための特別当座預金制度」において、地域銀行では80行程度が2021年度のOHR(経費率)改善率などの要件を達成したようだ。証券会社やシンクタンクの推計で明らかになった。地域銀は23年3月期第1四半期の決算が出そろっており、「第2四半期以降も順調に進捗すれば、多くの銀行が22年度の適用要件も達成するだろう」(みずほ証券)との見方が出ている。
同制度は、地域金融機関が経営基盤の強化に取り組むことを後押しするもの。経営統合や経費減少などの要件を満たせば、保有する日銀当座預金に上乗せ金利(特別付利)として年0.1%が支払われる。20~22年度の時限措置となっている。
日銀によると、20年度要件を達成し特別付利が適用された地域金融機関約600先のうち、地域銀は86行だった。21年度分についてはまだ公表していない。
8月に入り、民間調査の結果が相次いで発表された。日興リサーチセンターは、地域銀84行・グループ(G)を対象に21年度の要件である「19年度比でOHRを3%以上、もしくは経費の減少率を4%以上改善させた」ケースを推計。その結果、76行がいずれかの数値を達成していたことを明らかにした。
また、みずほ証券は地域銀86行・Gを対象に試算したところ、21年度の要件を満たしたのが81行となる見込みを示した。該当する銀行は、一定の業績押し上げ効果が期待されるという。
みずほ証券の岡田凌太クレジットアナリストは「特別付利制度はOHRや経費改善のインセンティブを高めた。ただ再編については相手があることなのでハードルが高く、そこまで広がらなかった」と分析した。
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 中企庁、再構築補助金を再開 「借り換え」で加点も
- 金融機関、「口座管理法」対応急ぐ デジ庁説明遅く時間足りず
- 金融庁、次の照準は安定配当商品 仕組み貸出増加も警戒
- 宮城第一信金、宇宙関連企業に単独融資 新興企業支援を本格化
- デジタル庁、公金受取口座 手数料固める 1件490円に引き上げ
- ことら送金、提供金融機関400先が視野 資金移動1社も準備段階
- みずほ銀や横浜銀など普通預金金利引き上げ相次ぐ、マイナス金利解除受け年0.02%へ 全国に波及
- 柏崎信金、障がい者向けコンサートに50人 つのだ☆ひろさん招く
- 中企庁、グループ化加速へ投資 ファンドに地域金融も
- 地銀、合意自治体が増加 指定金の内為運営費負担