金融機関の強盗事件、21年はピーク比96%減 防犯態勢強化で
2022.02.09 04:45
金融機関店舗を狙った強盗事件が減少を続けている。2021年の発生件数は、前年比2件少ない9件(日本防災通信協会調べ)と、ピークの20年前に比べて減少率は96%。01年にピークアウトして以降の最少件数で、初めて一桁台となった。営業店の防犯態勢の強化と検挙率の高さが要因とみられる。
警察庁のまとめによると、金融機関強盗の認知件数は景気が急速に悪化した01年の229件をピークに減少傾向にある。08年には2桁台となり、21年に1桁台まで減った。
防犯カメラやカラーボールのほか、ボタンを押すだけで非常事態発生を自動で警察に知らせる「非常通報装置」の設置など、営業店の防犯態勢強化が背景にある。また、警察とも連携した営業店での模擬訓練や防犯意識の向上が減少に寄与している。
検挙率の高さも大きく影響。強盗事件全体の検挙率は05年から上昇傾向で、21年は前年比2.1ポイント上昇の99.3%と高水準を記録。捕まるリスクの高い犯罪となっている。実際に21年に金融機関で発生した9件とも犯人が検挙された。そのうち職員が犯人を説得して警察官が急行するまでの時間稼ぎをしたり、職員が犯人の特徴を正確に伝えたりするなど機転を利かせた対応も目立っている。
一方で、特殊詐欺のほか、フィッシングなどのサイバー犯罪の認知・検挙件数は高水準にある。金融機関やその職員を装った犯罪行為の手口は巧妙化しており、対策強化が求められている。
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