東栄信金と足立成和信金、10月の合併を延期 「システム」「年金」が要因
2025.01.31 19:07
東栄信用金庫(東京都、田村光彦理事長)と足立成和信用金庫(同、土屋武司理事長)は1月31日、10月に予定していた合併を延期すると発表した。新たな合併時期は未定。「システム」と「年金基金」二つの課題が重なったのが延期の要因。当初予定の10月には間に合わないと判断した。
両信金が加盟するしんきん共同センターは、大規模なシステム更改が予定されている。更改前に両信金のシステム統合を完了するには10月までの合併がリミットだったことから、当初の発表となった。
一方の年金基金。同一基金だが、足立成和は「基礎加算+企業版DC」、東栄は「基礎加算+第2加算」と中身が異なる。議論を進めるなか、片寄せすると不利益が生じる(減額)職員がいることが判明。慎重に検討することが必要と判断した。
同日、足立成和信金本店で開かれた記者会見で、土屋理事長は「当初の見込みが甘かったことは事実。お客さまにはご迷惑をおかけするが、職員があってこそさまざまな地域貢献が可能」と理解を求めた。田村理事長も「お客さまのために早く課題を解決していきたい」と述べた。
合併時期が未定の理由について、土屋理事長は「システム更改が終了する時期が決定していないため」とし、年金基金についても「2025年度の早い段階には、基金の中身を固めていきたい」と強調した。
また、合併後を見据えた対応をさらに進めるため、同日付で2信金間の連携協定を締結。人材交流の促進や、創業セミナーの共同開催、創業支援施設の共同利用、階層別の合同研修などを実施していく。

両信金は24年3月1日に合併を発表、準備委員会を設置するなど合併準備を進めており、合併後の名称は「したまち信用金庫」に決定している。会見では、新たなロゴや経営理念も発表した。
(記者会見の内容などを追記しました。2025年1月31日19:07)