生保、ターゲット型保険見直し 金融庁指摘など受け 一部銀行も要望
2024.09.06 04:40
生命保険会社で、外貨建て一時払い保険の目標値設定機能(ターゲット型)の見直しが広がっている。廃止したり、顧客や販売金融機関の意向で外せるようになる。金融庁の指摘や生命保険協会のガイドライン改定を受けたもの。一部の銀行も要望していた。
日本生命保険は8月28日、2025年4月の新契約よりターゲット型を廃止すると発表。同社の主力の外貨建て一時払い終身保険「ロングドリームGOLD3」の商品性を改定する。同じグループのニッセイ・ウェルス生命保険や大樹生命保険でも原則同じ方向性という。
第一生命保険では、24年5月から新契約時にターゲット型を設定できないようにした。顧客が希望すれば後付けは可能。第一フロンティア生命保険は24年10月から、外貨建て一時払い定額個人年金保険「プレミアカレンシー3」を対象に、ターゲット値の下限を現状の105%から120%に引き上げる予定だ。
住友生命保険は、一部の銀行で24年4月からターゲット型を外せる外貨建て一時払い保険を販売可能にしており、10月から他の金融機関でも順次対応できるよう準備する。三井住友海上プライマリー生命保険は、25年4月をめどに外貨建て一時払い終身保険「しあわせ、ずっと3」でターゲット型を見直す予定。すでに24年4月からターゲット型を記載しない同商品パンフレットを提供している。
明治安田生命保険は、商品内容の見直しを検討中。
T&Dフィナンシャル生命保険は、24年10月から外貨建て一時払い終身保険「生涯プレミアムワールド6」でターゲット型なしプランを提供する。一律の廃止はしないが、銀行から要望があった際に対応できる体制を構築する。複数行から引き合いがあるという。
一方、銀行窓販から完全にターゲット型がなくなる可能性は現時点では低いとの見方もある。大手生保幹部は「ターゲット型の仕組み自体は悪いものではない。株式投資などでも目標株価を決めて、それに到達したら売却するという運用手法がある」と説明する。金融庁への対応や行内説明の簡略化を目的にターゲット型保険の取り扱いを取りやめるのは、「内向きの理論だ」との声もある。
※この記事は2024/10/15にfree記事に変更しました。
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