金融庁、円金利上昇でリスク管理検証 金融行政方針を公表
2024.08.31 00:34
金融庁は、円金利の上昇局面を踏まえ、預金取り扱い金融機関のリスク管理態勢を検証する。8月30日に公表した2024事務年度(24年7月~25年6月)の「金融行政方針」で示した。また、金融機関の政策保有株式の縮減計画の状況も確かめる。外貨建て一時払い保険をはじめとしたリスク性金融商品に関しては、販売勧誘・顧客管理に関する業界規則への対応状況を点検する。
同庁は、主要行の信用リスクついて、与信関連部署の融資規律や審査態勢、実行後の期中管理などを確認する。国内外の不動産融資の動向やLBO(借入金を活用した買収)などニーズの高い分野の融資慣行も注視する考え。市場・流動性リスクでは、ALM(資産・負債の総合管理)の状況を含めた、有価証券・外貨流動性に対するリスク管理態勢を点検する。
地域金融機関に対しては、有価証券運用の状況や取引先の実態把握状況を踏まえた信用リスクの管理態勢をモニタリングする方針。
大手行など金融グループ経営に対する監督態勢も強化する。金融グループの規制緩和とともに、主要行などでは業態や国境を越えて事業展開する動きが拡大。個人・法人の情報管理を含めたグループガバナンスやグローバルガバナンスの重要性が高まっていることが背景にある。
企業統治改革の観点から、政策保有株式にも焦点を当てる。金融機関の同株式について、保有意義や縮減計画の進ちょく状況を確認する方針。24事務年度の有価証券報告書レビューでは、調査対象を同報告書の提出企業全先に拡大する。同庁は、調査結果を踏まえ、同株式の開示事項追加を検討する意向だ。
外貨建て一時払い保険や仕組み債で発生した問題を受け、各業界団体は業界規則を見直した。同庁は、見直された規則に対する金融機関の対応状況を点検する方針だ。また、販売実績や苦情状況をもとに、留意が必要な商品を特定し、金融機関の販売管理態勢の妥当性について検証する。
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